地域で創るグランドデザイン
■開催日:2024年11月9日
■会 場:興部町中央公民館
■参加数:一般97名、会員61名 計158名
総合司会
向井 徹(ヒグマの会会長)
開会挨拶
坪田敏男(ヒグマの会会長)
硲 一寿(興部町長)
来賓挨拶
徳永エリ (参議院議員)
武部 新 (衆議院議員)秘書代読
久保秋雄太 (北海道議会議員)
丸岩浩二 (北海道議会議員)総会挨拶
講演
西オホーツクのヒグマの生息状況/白根ゆり(北海道立総合研究機構)
興部町のヒグマの現状について/新井田隆央(興部町産業振興課)
西興部村のヒグマの現状について/中原慎一(猟友会興部支部西興部部会)
北海道のヒグマ対策の現状と課題/武田忠義・亀﨑学(北海道野生動物対策課ヒグマ対策室)
ヒグマによる人身事故とその防ぎ方/釣賀一二三(北海道立総合研究機構)
興部地域のグランドデザイン案の提案/山中正実(ヒグマの会)・大石徳博(猟友会興部支部興部部会)
パネルディスカッション・質疑応答
司会進行:佐藤喜和(酪農学園大学)、山本牧(もりねっと北海道)、間野勉(北海道立総合研究機構)
パネリスト:講演演者全員
プレイベント1;ヒグマ学習授業
日 時:2024年11月8日 13:20-14:05
場 所:沙留小学校体育館
参加者:全校児童58名、全教員15名
講 師:渡邉圭(紋別市立潮見中学校教頭)
プレイベント2;町民向けクマ撃退スプレー実地体験会
日 時:2024年11月9日 10:00〜11:00
場 所:興部川右岸パークゴルフ場
参加者:18名 プラスα
講 師:中西将尚(知床財団)
体験会に使用したトレーニング用クマスプレーは、(有)アウトバック様から寄贈を受けました。
現地視察
日 時:2024年11月10日 9:00〜11:00
場 所:興部町市街地周辺のヒグマ出没箇所
参加者:53名
引率者:大石徳博・大石涼平(猟友会興部支部興部部会)
ヒグマの会では、人の暮らしを守るとともに、北海道の自然を象徴する野生動物であり、道民共有の財産でもあるヒグマが、健全に生息していくことができる将来を目指すビジョン、「これからの10年 ヒグマと向き合うグランドデザイン」を2023年に策定しました。また、このグランドデザインを北海道知事に対して提起し、全道にこのビジョンを普及させるための現状と課題について、2023年のフォーラム(札幌市)において議論しました。
2024年度のフォーラムは、グランドデザインを地域に適用する試みとして、オホーツク海沿岸の興部町にて、地元興部町役場との共催で開催いたしました。興部町では近年ヒグマの出没が多発し、特に市街地とその周辺にまでヒグマの侵入が見られるようになっています。その対策の現状について報告をいただくとともに、西オホーツク地域全体のヒグマの生息状況や隣接する西興部村での現状についても報告を受けました。北海道ヒグマ対策室からは道全体での取り組みを紹介いただきました。
その上で、地元猟友会とヒグマの会、そして役場の担当者も含めて半年間にわたって検討してきた興部地域のグランドデザイン案を提起しました。この実現にはまだまだ多くの課題がありますが、繰り返し行った議論を通じて、現状の問題点や喫緊の課題について関係者で共有できたことは大きな前進と考えます。フォーラムでは興部町長からも前向きに取り組むとのご発言もいただきました。フォーラムの成果が、興部地域のヒグマ問題の解決に寄与するものとなれば幸甚です。
共催いただいた興部町役場の皆さま、御協力いただいた大石支部長をはじめとする猟友会興部部会やヒグマの会会員の皆様、及び、協賛いただいた下記の皆様に厚く御礼申しあげます。
(有)アウトバック、(株)サージミヤワキ札幌営業所、(株)文永堂出版、(株)GISupply、(株)ティンバーテック、(株)ファームエイジ、(株)シティ環境。
<地元協賛企業>
チーズ工房 アドナイ、(株)ノースプレインファーム、(有)冨田ファーム、(有)パインランドデーリィ
(文責;担当理事 山中正実)
待ったなしのクマ対策
―今後10年のグランドデザイン―
■開催日:2023年11月11日
■会 場:札幌エルプラザ3階ホール
■参加数:一般210名、会員96名 計306名
開会挨拶
坪田敏男(ヒグマの会会長)
秋元克広(札幌市長)
来賓挨拶
太田憲之(北海道議会議員)
第1部 昨今のヒグマ問題対処への処方箋
セッション1 ヒグマ管理の対策(ゾーニングに基づく対策) ―どこで何をする? ―
導入説明/佐藤 喜和(酪農学園大学、ヒグマの会事務局長)
さっぽろヒグマ基本計画とゾーニング管理/清尾 崇(札幌市環境局)
北海道のヒグマ対策の現状と課題 -地域対応力の強化に向けて- /武田 忠義(北海道環境生活部)
セッション2 管理の体制づくり ―誰がする? ―
導入説明/釣賀一二三(道総研)
走りながら考えるヒグマ管理の原点 ―占冠村の専門員活動― /浦田 剛(占冠村林業振興室)
実効性を持たせるために必要な人材と体制/山中 正実(公益財団法人知床財団、ヒグマの会理事)
第2部 基本はヒグマについて学び知ること
セッション3 ヒグマヒグマとつきあう普及啓発 ―どう伝える? ―
導入説明/山本 牧(NPO法人もりねっと北海道、ヒグマの会副会長)
世界で一番ヒグマの生息密度が高い知床半島にある公立学校 「知床ウトロ学校」のヒグマ学習とヒグマ観/渡邉 圭(知床ウトロ学校)
ヒグマ対策に一般市民が関与するにはどうすれば良いか? ―さっぽろヒグマ市民会議の実践をとおして― /遠藤 優(北海道大学)
セッション4 モニタリングと調査研究 ―何を根拠に? ―
導入説明/坪田 敏男(北海道大学、ヒグマの会会長)
ヒグマ管理に求められる調査研究 ―知床半島における取り組みを例に― /下鶴 倫人(北海道大学、ヒグマの会理事)
第3部 質疑応答・総合討論
司会進行/間野 勉(北海道立総合研究機構、ヒグマの会副会長)、伊藤 泰幹(北海道大学)
要旨集
この度は2年ぶりに札幌開催のフォーラムとなった。前回は「これからの10年ヒグマと向きあうためのグランドデザイン〜みんなで考えよう新しい人とヒグマの関係〜」とのテーマで、遅々として進まない北海道のヒグマの管理対策を打開するために、当会が検討してきたグランドデザインの素案について提起し、コメンテ−ターや会場から意見をもらって議論した。
今年7月に完成した「ヒグマと向きあうグランドデザイン」は、今後10年ほどを見越して、北海道のヒグマ管理計画をどのように実践していくのが理想的なのか、その方向性や運用の具体を記したものとなった。ヒグマの会はこれを鈴木直道北海道知事に手渡して具体的に施策に取り入れることを要望した。
道庁への要請に加えて、この度のフォーラムでは、札幌市とその他の先行事例を基に、グランドデザインの重点である対策と体制づくり、そして普及啓発のあり方を市民レベルから議論した。ヒトとヒグマが共に生きる北海道において、我々人間がこれからどのような選択肢をとるべきか、それらを社会の仕組みとして具体化するための課題は何かが明らかとなった。今年も5月には朱鞠内湖で、10月末には大千軒岳で痛ましい死亡事故が発生し、従前から当会が提起していたヒグマ問題は、まさに「待ったなし」の状況に至っている。本フォーラムでの議論が課題解決への一歩となることを望みたい。
―街に出るヒグマ アーバンベアと向き合うグランドデザイン―
■開催日:2022年11月19~20日
■会 場:旭川市市民活動交流センター、旭川市科学館、旭山動物園
■参加数
19日フォーラム:一般200名、会員・学生84名 計284名
20日エクスカーション:会員・学生 71名
開会挨拶
坪田敏男(ヒグマの会会長)
今津寛介(旭川市長)
第1部 全道の概況と旭川市の対策
ヒグマ情報増加の背景/釣賀一二三(北海道立総合研究機構)
旭川市のヒグマ市街地接近・侵入の状況と市の対応/橋口城児(旭川市)
旭川・里山ヒグマの行動と広域対策/山本牧(NPO法人もりねっと北海道)
第2部 札幌のクマ事情と報道
札幌市のヒグマ対策 ~さっぽろヒグマ基本計画の推進~/清尾崇(札幌市)
札幌のアーバンベアの現状と対策 ~現地調査とDNA分析の結果から~/早稲田宏一(NPO法人EnVision環境保全事務所)
クマとの共存に向け、メディアが果たすべき役割/幾島奈央(HBC北海道放送)
第3部 現状とグランドデザイン
北海道のヒグマ管理の現状/佐藤喜和(酪農学園大学・ヒグマの会事務局長)
アーバンベアと向き合うグランドデザイン/坪田敏男(北海道大学・ヒグマの会会長)
旭山動物園とえぞひぐま館が目指すもの/坂東元(旭川市旭山動物園)
質疑応答
市民活動交流センターホールをメイン会場、サブ会場に旭川市科学館学習室(オンライン放映)とした。近年のヒグマ問題を反映して市民の関心は高く、旭川市内や近郊のほか、道内外の一般参加者が多かった。
講演は第1部が地元・旭川のヒグマ問題の現状と対策課題、第2部は札幌アーバンベアの問題と取り組み紹介、第3部がヒグマの会によるヒグマ対策のグランドデザイン提言と旭川動物園の展示コンセプト紹介だった。
質問票による質疑も行われ、クマと人の共生、世界的に見た北海道のヒグマの特質、駆除・捕獲の実態やヘアトラップなどの調査手法、牛を襲うヒグマへの対策など、幅広い質問と専門家による回答が行われた。ホール会場には展示ブースが設けられ、学生や市民団体、旭川市の活動発表、電気柵や調査機材の業者展示など行われた。
20日のエクスカーションは、21、22年のヒグマ出現地や美瑛川河川敷に電気柵を張ったヒグマ対策地(神居町上雨紛)などの現場を視察。旭川動物園では新設の「えぞひぐま館」バックヤードの案内説明があり、イベントホールではヒグマとの共生や普及教育をテーマに、ヒグマ専門家のトークセッションや参加者との質疑応答が熱心に行われた。
全体として、深刻化するヒグマ問題について、さまざまな情報や対策の事例と可能性が示され、地域住民の理解が増し、今後の各自治体の対策促進に役立ったと考える。
講演動画(YouTube)
―これからの10年 ヒグマと向きあうためのグランドデザイン―
■開催日:2021年11月6日
■会 場:北海道大学学術交流会館(札幌市)
第1部 グランドデザインの前に
趣旨説明/坪田敏男(北海道大学・ヒグマの会会長)
ヒグマ管理の現状と課題/佐藤喜和(酪農学園大学・ヒグマの会事務局長)
ちゃんとやっているところはある!−クマ管理の先進事例紹介/山中正実(公益財団法人知床財団・ヒグマの会理事)
第2部 グランドデザインがめざすもの
ヒグマ管理の対策/早稲田宏一(NPO法人EnVision環境保全事務所・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理の体制作り−実働部隊の必要性/釣賀一二三(北海道立総合研究機構・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理のための調査研究とモニタリング/間野勉(北海道立総合研究機構・ヒグマの会副会長)
ヒグマ管理のための普及啓発/大坂義臣(北海道アウトドアガイド(自然)・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理の課題とグランドデザイン/佐藤喜和(前掲)
第3部 グランドデザインを受けて
外部協力者からのコメント
三好雅(北海道議会議員 議会自民党)
赤坂猛(エゾシカ協会)
池田貴子(北海道大学CoSTEP)
武田忠義(北海道環境生活部環境局自然環境課)
宮本尚(きたネット)
総合討論
座長:山本 牧(もりねっと・ヒグマの会副会長)
坪田 敏男(前掲)
要旨集
―ヒグマとヒトの今を知る―
■開催日:2020年11月7日
■会 場:北海道大学獣医学部講義棟(札幌市)
第一部:ヒグマとヒトの関係史
北海道で、人間はヒグマをどのようにみて対応してきたか/間野 勉(北海道立総合研究機構)
第二部:ヒグマとヒトを巡る最近のトピック
知床・羅臼での飼い犬連続被害について/田澤道広(羅臼町役場産業創生課)
さっぽろヒグマ大騒動(2019 年)の実態とその後/○釣賀一二三(北海道立総合研究機構)・早稲田宏一(EnVision 環境保全事務所)・ 中村秀次(EnVision 環境保全事務所)・坂田一人(札幌市環境局)
2018 年島牧村ヒグマ騒動、あれから 2 年/吉澤摩耶(斜里町在住)
第三部:各地からの報告
北大クマ研2020 活動報告〜北大天塩研究林と大雪⼭⾼原温泉〜/○松原幸芽・森好⽔希(北海道大学ヒグマ研究グループ)
市町村別ヒグマの駆除数トレンドについて/濱田桜(酪農学園大学)
知床斜里町・羅臼町におけるヒグマ対策2020/中西将尚(知床財団)
占冠村におけるヒグマ対策/浦田剛(占冠村農林課)
令和元年度と令和 2 年度の札幌市におけるヒグマ出没と対応状況/中村秀次(EnVision環境保全事務所)
ヒグマから移る感染症はあるのか?/坪田敏男(北海道大学)
要旨集