2023ヒグマフォーラム in 札幌

待ったなしのクマ対策

―今後10年のグランドデザイン―

開催日:20231111

会 場:札幌エルプラザ3階ホール

参加数:一般210名、会員96名 計306

開会挨拶

坪田敏男(ヒグマの会会長)

秋元克広(札幌市長)

 

来賓挨拶

太田憲之(北海道議会議員)

第1部 昨今のヒグマ問題対処への処方箋

セッション1 ヒグマ管理の対策(ゾーニングに基づく対策)  どこで何をする? ―

導入説明/佐藤 喜和(酪農学園大学、ヒグマの会事務局長)

さっぽろヒグマ基本計画とゾーニング管理/清尾 崇(札幌市環境局)

北海道のヒグマ対策の現状と課題 -地域対応力の強化に向けて- /武田 忠義(北海道環境生活部)

 

セッション2 管理の体制づくり 誰がする? 

導入説明/釣賀一二三(道総研)

走りながら考えるヒグマ管理の原点 ―占冠村の専門員活動― /浦田 剛(占冠村林業振興室) 

実効性を持たせるために必要な人材と体制/山中 正実(公益財団法人知床財団、ヒグマの会理事)

 

第2部 基本はヒグマについて学び知ること

セッション3 ヒグマヒグマとつきあう普及啓発  ―どう伝える? ―

導入説明/山本 牧(NPO法人もりねっと北海道、ヒグマの会副会長)

世界で一番ヒグマの生息密度が高い知床半島にある公立学校 「知床ウトロ学校」のヒグマ学習とヒグマ観/渡邉 圭(知床ウトロ学校)

ヒグマ対策に一般市民が関与するにはどうすれば良いか?  ―さっぽろヒグマ市民会議の実践をとおして―  /遠藤 優(北海道大学)

 

セッション4 モニタリングと調査研究  ―何を根拠に? ―

導入説明/坪田 敏男(北海道大学、ヒグマの会会長)

ヒグマ管理に求められる調査研究 ―知床半島における取り組みを例に― /下鶴 倫人(北海道大学、ヒグマの会理事)

 

第3部 質疑応答・総合討論

司会進行/間野 勉(北海道立総合研究機構、ヒグマの会副会長)、伊藤 泰幹(北海道大学)

要旨集

報告

 この度は2年ぶりに札幌開催のフォーラムとなった。前回は「これからの10年ヒグマと向きあうためのグランドデザイン〜みんなで考えよう新しい人とヒグマの関係〜」とのテーマで、遅々として進まない北海道のヒグマの管理対策を打開するために、当会が検討してきたグランドデザインの素案について提起し、コメンテ−ターや会場から意見をもらって議論した。

今年7月に完成した「ヒグマと向きあうグランドデザイン」は、今後10年ほどを見越して、北海道のヒグマ管理計画をどのように実践していくのが理想的なのか、その方向性や運用の具体を記したものとなった。ヒグマの会はこれを鈴木直道北海道知事に手渡して具体的に施策に取り入れることを要望した。

 道庁への要請に加えて、この度のフォーラムでは、札幌市とその他の先行事例を基に、グランドデザインの重点である対策と体制づくり、そして普及啓発のあり方を市民レベルから議論した。ヒトとヒグマが共に生きる北海道において、我々人間がこれからどのような選択肢をとるべきか、それらを社会の仕組みとして具体化するための課題は何かが明らかとなった。今年も5月には朱鞠内湖で、10月末には大千軒岳で痛ましい死亡事故が発生し、従前から当会が提起していたヒグマ問題は、まさに「待ったなし」の状況に至っている。本フォーラムでの議論が課題解決への一歩となることを望みたい。


2022ヒグマフォーラム in 旭川

―街に出るヒグマ アーバンベアと向き合うグランドデザイン―

開催日:2022111920

会 場:旭川市市民活動交流センター、旭川市科学館、旭山動物園

参加数

 19日フォーラム:一般200名、会員・学生84名 計284

 20日エクスカーション:会員・学生 71

開会挨拶

坪田敏男(ヒグマの会会長)

今津寛介(旭川市長)

 

第1部 全道の概況と旭川市の対策

ヒグマ情報増加の背景/釣賀一二三(北海道立総合研究機構)

旭川市のヒグマ市街地接近・侵入の状況と市の対応/橋口城児(旭川市)

旭川・里山ヒグマの行動と広域対策/山本牧(NPO法人もりねっと北海道)

 

第2部 札幌のクマ事情と報道

札幌市のヒグマ対策 ~さっぽろヒグマ基本計画の推進~/清尾崇(札幌市)

札幌のアーバンベアの現状と対策 ~現地調査とDNA分析の結果から~/早稲田宏一(NPO法人EnVision環境保全事務所)

クマとの共存に向け、メディアが果たすべき役割/幾島奈央(HBC北海道放送)

 

 

第3部 現状とグランドデザイン

北海道のヒグマ管理の現状/佐藤喜和(酪農学園大学・ヒグマの会事務局長)

アーバンベアと向き合うグランドデザイン/坪田敏男(北海道大学・ヒグマの会会長)

旭山動物園とえぞひぐま館が目指すもの/坂東元(旭川市旭山動物園)

 

質疑応答

チラシ

要旨集(PDF)


報告

 市民活動交流センターホールをメイン会場、サブ会場に旭川市科学館学習室(オンライン放映)とした。近年のヒグマ問題を反映して市民の関心は高く、旭川市内や近郊のほか、道内外の一般参加者が多かった。

 講演は第1部が地元・旭川のヒグマ問題の現状と対策課題、第2部は札幌アーバンベアの問題と取り組み紹介、第3部がヒグマの会によるヒグマ対策のグランドデザイン提言と旭川動物園の展示コンセプト紹介だった。

 質問票による質疑も行われ、クマと人の共生、世界的に見た北海道のヒグマの特質、駆除・捕獲の実態やヘアトラップなどの調査手法、牛を襲うヒグマへの対策など、幅広い質問と専門家による回答が行われた。ホール会場には展示ブースが設けられ、学生や市民団体、旭川市の活動発表、電気柵や調査機材の業者展示など行われた。

 20日のエクスカーションは、2122年のヒグマ出現地や美瑛川河川敷に電気柵を張ったヒグマ対策地(神居町上雨紛)などの現場を視察。旭川動物園では新設の「えぞひぐま館」バックヤードの案内説明があり、イベントホールではヒグマとの共生や普及教育をテーマに、ヒグマ専門家のトークセッションや参加者との質疑応答が熱心に行われた。

全体として、深刻化するヒグマ問題について、さまざまな情報や対策の事例と可能性が示され、地域住民の理解が増し、今後の各自治体の対策促進に役立ったと考える。

講演動画(YouTube)


2021ヒグマフォーラム in 札幌

―これからの10年 ヒグマと向きあうためのグランドデザイン―

開催日:2021116

会 場:北海道大学学術交流会館(札幌市)

第1部 グランドデザインの前に

趣旨説明/坪田敏男(北海道大学・ヒグマの会会長)
ヒグマ管理の現状と課題/佐藤喜和(酪農学園大学・ヒグマの会事務局長)
ちゃんとやっているところはある!−クマ管理の先進事例紹介/山中正実(公益財団法人知床財団・ヒグマの会理事)

 

第2部 グランドデザインがめざすもの

ヒグマ管理の対策/早稲田宏一(NPO法人EnVision環境保全事務所・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理の体制作り−実働部隊の必要性/釣賀一二三(北海道立総合研究機構・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理のための調査研究とモニタリング/間野勉(北海道立総合研究機構・ヒグマの会副会長)
ヒグマ管理のための普及啓発/大坂義臣(北海道アウトドアガイド(自然)・ヒグマの会理事)
ヒグマ管理の課題とグランドデザイン/佐藤喜和(前掲)

 

第3部 グランドデザインを受けて

外部協力者からのコメント

三好雅(北海道議会議員 議会自民党)

赤坂猛(エゾシカ協会)

池田貴子(北海道大学CoSTEP)

武田忠義(北海道環境生活部環境局自然環境課)

宮本尚(きたネット)

 

総合討論

座長:山本 牧(もりねっと・ヒグマの会副会長)

   坪田 敏男(前掲)

要旨集


2020ヒグマの会セミナー in 札幌

―ヒグマとヒトの今を知る―

開催日:2020117

会 場:北海道大学獣医学部講義棟(札幌市)

第一部:ヒグマとヒトの関係史 

北海道で、人間はヒグマをどのようにみて対応してきたか/間野 勉(北海道立総合研究機構)

 

第二部:ヒグマとヒトを巡る最近のトピック 

知床・羅臼での飼い犬連続被害について/田澤道広(羅臼町役場産業創生課)
さっぽろヒグマ大騒動(2019 年)の実態とその後/○釣賀一二三(北海道立総合研究機構)・早稲田宏一(EnVision 環境保全事務所)・ 中村秀次(EnVision 環境保全事務所)・坂田一人(札幌市環境局)
2018 年島牧村ヒグマ騒動、あれから 2 年/吉澤摩耶(斜里町在住)

 

第三部:各地からの報告

北大クマ研2020 活動報告〜北大天塩研究林と大雪⼭⾼原温泉〜/○松原幸芽・森好⽔希(北海道大学ヒグマ研究グループ)
市町村別ヒグマの駆除数トレンドについて/濱田桜(酪農学園大学)
知床斜里町・羅臼町におけるヒグマ対策2020/中西将尚(知床財団)
占冠村におけるヒグマ対策/浦田剛(占冠村農林課)
令和元年度と令和 2 年度の札幌市におけるヒグマ出没と対応状況/中村秀次(EnVision環境保全事務所) 
ヒグマから移る感染症はあるのか?/坪田敏男(北海道大学)

要旨集